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農業機械メンテナンスナビ共通メンテナンス項目>なめたナットの外し方
 力任せや不適切な道具を使用してナットをなめて外せなくなった時にナットを外す方法です。道具が不適切で舐めただけであればバイスプライヤーを使用して外すことができます。古く固着したナットでも、多くをガストーチと潤滑剤を併用することで外すことが出来ます。
ナットをなめる主な原因
1.工具が不適切
 使用した工具サイズが不適切。または、サイズが合っていても工具が摩耗・変形により隙間が出来ることで十分が力が伝達されないことに原因があります。安価な工具を使用している場合、大きな力を加えるとナットより先に工具が変形し、隙間が出来ることで舐めてナットを潰してしまいます。
2.固着によりナットの強度上回る力が必要となる
 内部の腐食による癒着によって、ナット外側に加わる以上の力で張り付いているため、力を大きく加えた結果、外側が工具で削れてなめます。
3.ナットが腐食により痩せている(小さくなっている)
 経年劣化による錆等による腐食でナットの角が無くなるなど、適切な工具を使用しても隙間で出来て大きな力が伝達できなようになり、大きな力を加えたときにナットをなめます。

 1が原因の時は専用の工具のみで比較的容易に取り外すことが出来ます。

なめたナットを外す工具
・ネジザウルス
 比較的小口径のネジやナットに対して使用する工具です。ネジやナットのの円形を掴みやすい形状となっていて力を加えることが出来ます。

・バイスプライヤー
 本ページで使用する工具です。ネジを掴む先端をロックすることが出来る工具です。ネジの大きさに合わせてバイスプライヤーにも大雑把なサイズがあります。

なめたナットの外し方

  • なめたナットを外す工具
  • ・使用資機材
    ・ガストーチ(バーナー)
    ・バイスプライヤー
    ・浸透潤滑剤(クレ5-56)
     コンビネーションレンチ、ハンマー、金属ブラシは本ページで使用しません。
  • なめたナット
  • ・なめたナット
     適切な工具を使用しても強固な固着により外れずになめたナットです。前面の角が潰れてなくなり、完全になめています。
  • バイスプライヤー
  • ・バイスプライヤー
     なめたナットを挟みこみ回転する力を加えるため工具です。ナット等の丸い形状の物を挟みこむ先端となっているだけでなく、ナット等を挟み込んだ状態でロック(ホールド)することが出来ます。
  • バイスプライヤーのロック方法
  • ・バイスプライヤー位置合わせ
     バイスプライヤーでナットは挟み、しっかしと挟み込める角度に合わせます。
     持ち側のネジを回し、挟んだ状態で先端を強くかみ込む位置までネジを回しロックします。※1
  • ロックしたバイスプライヤー
  • ・ロックしたバイスプライヤー
     ネジを回してロックしたことで、手を放してもナットをしっかりと挟み込んでいます。
     位置合わせて回したネジ位置を変えない限り、ネジ位置を持ち手を操作して取り外しても同じ位置再びロックすることができます。
  • なめたナットをバーナーで炙る
  • ・バーナーの使用
     位置合わせをしたバイスプライヤーを一旦取り外し、バーナーでナットをあぶります。
     バーナーによる熱膨張を利用して固着をはがします。
     強固に固着しているため、ナットが高温で赤くなるまでしっかりと炙ります。※2
  • 浸透潤滑剤の使用
  • ・潤滑剤の使用
     バーナーによる粗熱がとれたらナットがクレ5-56をナットとボルトの隙間。座金(ワッシャー)にめがけてたっぷりと馴染ませます。熱により油が蒸発しては意味がないため、蒸発しなくなるまで。または、冷えてからたっぷりとかけます。
  • バーナーで油分を取る
  • ・バーナーの使用2
     浸透潤滑剤が表面に残っていると削り油の役割をはたしてナットが回らないため、表面の浸透潤滑剤をバーナーを使用して燃やします。(パーツクリーナーで洗浄し油分を除去でも可。)
  • バイスプライヤーの使用方法
  • ・バイスプライヤーの使用
     バイスプライヤーでナット挟み込み回します。強固に固着したナットは一度では回らないため、前後に交互に力を加え、少しづつ回る範囲を増やし外します。
     全く回らない場合には、バーナーでの作業を繰り返します。
     必要に応じでナットが動き出したら隙間に浸透潤滑剤を浸み込ませて回る範囲を広げて外します。
・注意事項など
※1 不適切な工具が原因でなめただけであれば、この状態で回すだけで取り外すことが出来ます。 ナ
※2 固着の程度によっては、ナットが高温で赤い状態で外すことが出来る事があります
 浸透潤滑剤を使用する時、不適切な使用を行うと事態が悪化します。「外れないナットの外し方」を参考に浸透潤滑剤を使用する時にはかける場所に注意が必要です。

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