- 農業機械メンテナンスナビ>防錆処理の方法>グリス・オイルスプレーを使用した防錆
- 機械の防錆と潤滑を目的に多く用いられるグリスとオイル。特性の違いから使用する個所が若干異なります。
・グリススプレー
長所:
粘度が高く、揮発し難い。このため、長期間防錆効果が期待できる。
短所:
粘土が高いために頻繁に操作するレバーに用いると抵抗が大きくなる。
浸透力と流動性が低いため、隙間に浸透し難い。
・オイルスプレー
長所:
浸透力と流動性に優れる。このため、錆びにより動かなくなったネジが動くように成るなどの潤滑に優れる。
短所:
揮発することに失われるため、効果期間が短い。
・グリスとオイルの使い分け
防錆目的では機械に特別が指定がない場合、その違いを意識することなく使用することができます。
強いて使い分けるなら、内部の潤滑を期待したい時はオイルスプレー。表面の防錆を長期に期待したい時はグリススプレーを用います。
グリスプレーの上にオイルスプレーをかけると、グリスが流れ落ちるため基本的に混ぜて使用は行いません。
屋外で長期間使用する機械では、深く考えずに効果が長いグリススプレーのみの使用が有効である場合が多いです。
グリスによる防錆・潤滑処理
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・グリススプレー・オイルスプレー
ともにスプレー缶ですが、グリススプレーの中身は、グリスガンに用いるリチウムグリス。オイルスプレーの中身は、エンジンオイルの成分にそれぞれ大差ありません。
・CRC5-56等の防錆・潤滑スプレー
防錆や潤滑に広く認知されている製品です。浸透力に優れていますが、効果の持続期間が短いです。
その浸透力から錆びにより癒着したネジを回すとき等に使用ます。効果が短いことから防錆を主目的としては、あまり使用しません。 -
・ミッション部
複雑な構造のためグリスでは万遍なく散布し難い個所です。また、グリスの粘度が操作時に抵抗を大きくします。
万遍なく防錆と潤滑を期待するためオイルスプレーが効果的です。 -
・ワイヤー部
クラッチ等の操作を伝達するワイヤーでです。ワイヤー内部の防錆のため浸透力が必要です。理想では、浸透力を高めた専用のワイヤーグリスが適しています。
通常、細いワイヤーではオイルスプレー、グリススプレーどちらでも使用できます。 -
・テンションアーム理
Vベルトを張るためのアームのローラー部分です。機械の力が大きいため、グリスの粘度による影響はありません。
長期間の防錆と潤滑を期待してグリススプレーを使用します。アームの根元も同様です。
Vベルトにかからない注意が必要です。 -
・ネジ・ボルト
当分緩める予定がなく、防錆だけを意識した場合はグリススプレーを用います。
頻繁に緩める。取り外しがある個所はオイルスプレーを用います。 -
・塗装の傷
塗装の傷により錆が懸念される個所です。長期間の防錆効果を期待し、グリススプレーを用います。
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