- 農業機械メンテナンスナビ>トラクターのメンテナンス方法>トラクターのタイヤの空気圧点検
- トラクターのタイヤは、タイヤ自体が硬く丈夫の為、空気圧が低下しても外観で判別しにくい個所です。外観で異常がなくても、最低でも年に1回以上の点検を行います。
・タイヤ空気圧低下の影響
空気圧の低下による左右のバランスが悪くなると、作業時に左右に偏るなどの影響がでます。また、空気圧が低下した状態で荷重がかかると歪みでひび割れがすすみ、タイヤの寿命が縮めます。空気圧が大きく低下した状態で冬季など長期に渡り保管するとタイヤが変形します。
トラクターのタイヤはかなり高価な部品の一つです。できるだけ長持ちさせ、状態が良ければ農業機械が廃車となるまでタイヤ交換なしで使用します。
・トラクタータイヤの空気圧目安
タイヤの空気圧は、取扱説明書やタイヤの側面に明記されています。取扱説明書の数字はトラクター機種毎の適正値。タイヤ側面の数値はタイヤの性能による適正値です。
空気圧は取扱説明書の数値にあわせることが基本です。しかし、実際には時間経過とともに空気圧が下がるため、取扱説明書の数値以上、タイヤ側面の数値以内で左右が同じ空気圧になるようにあわせます。
特に空気圧点検を年1回しか行わない場合、空気圧低下によるタイヤの変形と劣化を予防するためタイヤ側面に記載の数値の上限にあわせて補充しておきます。
トラクター タイヤの空気圧点検と補充
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・使用資機材
タンク付空気入れ
空気圧計 -
・空気を入れるトラクター
年1回。春にタイヤの空気を補充し、空気圧を規定値にあわせます。
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・前輪タイヤの空気圧
前輪タイヤ側面の空気圧の表示です。
1.2kgf/cm2(120kPa)以下と表示されています。 -
・空気の補充
タンク付空気入れで空気を補充します。
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・空気圧の計測
空気圧計で圧力を測ります。
空気圧点検は年に1回しか行わないため、圧力が徐々に下がること考慮し、をタイヤ記載の上限1.2kgf/cm2(120kPa)にあわせます。 -
・後輪タイヤの空気圧
後輪タイヤ側面の空気圧の表示です。
1.6kgf/cm2(160kPa)以下と表示されています。 -
・空気の補充
タンク付空気入れで空気を補充します。
タイヤが非常に大きいため、空気入れで数十回(50回程度)の作業となります。 -
・空気圧の計測
空気圧計で圧力を測ります。
空気圧点検は年に1回しか行わないため、圧力が徐々に下がること考慮し、をタイヤ記載の上限1.6kgf/cm2(160kPa)にあわせます。
・取扱説明書の規定値について
トラクター等のタイヤの空気圧は点検する期間が長いため、体感で意外に早く低下します。取扱説明書の規定値にピッタリに維持するためには1~2ヶ月毎の点検をする必要があります。タイヤの空気圧は左右のバランスが同じであれば多少高くても問題ありません。規定値より10%程多く入れておくことで点検頻度を減らすことができます。・パンク以外での空気漏れについて
数か月か数週間単位で徐々にエアーが漏れる場合、エアーバルブからの空気漏れが疑われます。エアーバルブからの空気漏れでは、手軽にバルブコアを交換することで改善が期待できます。バルブコアの交換方法については、
共通メンテナンス項目>タイヤの空気圧点検・補充>タイヤのバルブコアの交換
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