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- エアーエレメント(エアークリーナ)は、内熱機関を持つ機械において定期的な清掃と交換が必須となっている点検箇所です。放置すると空気の取り入れ量が減ることで出力が低下するだけでなく、汚れた空気を吸入することでエンジンを内部から痛める原因となります。
・エアフィルター湿式と乾式
エアフィルターには構造と性能の違いから大きく分けて乾式と湿式があります。トラクターから小型のものまで多くの農業機械のエアフィルターには乾式が用いられています。
しかし、粉塵などの発生が多いハンマーナイフモアなど一部の農業機械では湿式が用いられています。本ページでは多くの農業機械で使用されている乾式のメンテナンス方法を紹介しています。
エアフィルターの違いについては「エアフィルターの乾式と湿式の違い」へ
・エアーエレメントの清掃頻度
取扱説明書では50時間程度に1回と記載されています。
管理人の場合、年1回 後片付け時。使用する回数が少ない機械では3年に1回程度実施しています。
・エアーエレメントの交換時期
取扱説明書では100~300時間程度に1回と記載されています。
管理人の場合、ペーパーフィルターの凹み劣化。油汚れ。エアーエレメント外側の錆。変形などが発生したら交換しています。
使用頻度の少ない機械でエアーエレメントに異常が見られない場合でも最長10年に1回交換を行っています。※
エアーエレメントの交換品の購入などについては、ページ下部参照。
エアーエレメント 交換・清掃方法
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・エアーエレメントのフィルタポッド
エアーエレメントが納められているフィルタポッドです。写真は、SS(スピードスプレイヤー)。エンジンルーム内に設置されています。 -
・フィルタポッドの取外し
ネジを回し、フィルタポッドの蓋を外します。
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・フィルタポッドの内部
フィルタポッドの蓋。さらに内部のゴムカバーを外すとエアーエレメントが現れます。 -
・エアーエレメントの取外し
エアーエレメントが固定されているためネジを緩めて取り外します。 -
・エアーエレメントの取外し
内部に取り付けられていたエアエレメントを引き出します。 -
・エアーエレメントの掃除
付着した埃などの取り除きます。叩く等でして埃がとれれば良いのですが、叩く場合はエアーエレメント本体が破損しないように十分に注意します。
写真では圧縮空気が吹き出るOAクリーナーを吹きかけて掃除をしました。外側と内側から吹きかけ埃をとります。 -
・エアーエレメントの交換時期
10年以上使用したエアーエレメントです。フィルタが汚れ、外側も錆が付いているため交換を行います。
・新しいエアーエレメント
新旧のエアーエレメントです。古いものは変色し、いかに汚れていたのがわかります。 -
・フィルタポッドの錆
今回交換したエアーエレメントが設置してあるフィルタポッド内側は、錆が発生していました。しかし、内部にグリーススプレーは使用することはできません。
錆等の粉を軽く掃除のみしておきます。 -
・エアーエレメントの取付
エアーエレメントを元通り取り付けて作業終了です。
汎用品が多く販売されている場合の除き、エアーエレメントにも部品供給期間に限りがあります。特に純正品しかない場合、メーカーの供給がなくなると交換できなくなります。
経年劣化により必ず交換が必要となる部位であり、破損するとエンジンに深刻なダメージを与え農業機械が使えなくなります。
どれだけ見た目の状態が良くても最長で10年毎に交換し、供給がなくなることに備えておくと農業機械を長く使用することができます。
エアーエレメントの交換品の購入
エアーエレメントは、機種毎の適合品しか使用できないため、基本的に農業機械の販売店等での取り寄せとなります。しかし、トラクターなどの機械。クボタやヤンマーのエンジンを搭載したスピードスプレー(SS)を始めとした大型の機械では、高額な純正パーツだけでなく汎用品も市販され、ネット通販から容易に購入することができます。ネット通販では事前に価格も確認することができ、手軽に入手する場合にはネット購入が便利です。
管理人が利用しているネット販売店:
・楽天市場 オ-トパ-ツエ-ジェンシ-楽天市場店
・ヤフーショッピング オートパーツエージェンシー ヤフーショッピング店
農業機械の型式やエンジン型式等を入力することで適合品を検索できます。また、不安な場合には適合確認もしてくれます。
また、エアーエレメント購入の際にはオイルエレメントも同時に購入すると送料面や適合確認に便利です。
・購入時の注意
ネット通販で純正品や汎用品が見つからず、農業機械販売店で取り寄せる場合には価格に注意ください。適合品が純正品しかない場合、価格が想定よりかなり高い(管理人は2,000~3,000円程度のつもりで注文して10,000円をかるく上回った)こともあります。
価格が不明の状態で取り寄せる場合、取り寄せ前に一度価格の連絡をもらうなどして下さい。
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