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農業機械メンテナンスナビチェンソーのメンテナンス方法>チェンソーの組立方法
 チェンソーの多くは、メーカーによる梱包状態でガイドバー等の取り付けがなされていません。そこで組立とエンジンのアイドリング等の確認。オイルの循環を確認する等の組立点検作業が必要です。
・販売店等での購入
 ホームセンターを始め、多くの販売店ではチェンソーは組立がなされています。また、プロショップ等では組立だけでなく、試運転によるエンジン調整。エンジンの慣らし運転までもなされていることもあり、購入直後から給油のみで使用できるものが多くあります。

・エンジン等の慣らし運転
 購入直後のエンジンの慣らし運転の必要性については諸説あり、実施しなくても大きな問題はありません。しかし、慣らし運転をしない場合でも暖機運転後のアイドリング等の不安定がないかなどのエンジン調子の確認は必要です。

・チェンソーオイルの潤滑
 チェンソーオイルについては給油から十分に噴出されるわけではなく、ソーチェンに行き渡るまでタイムラグがあります。新品時、または清掃後にいきなりソーチェーンを高速で回すとオイルが潤滑していないことによる磨耗によりチェーン及びガイドバーを消耗します。最初は低速でふかしてオイルを潤滑させます。

・エンジン調整
 ガスの濃度やアイドリングの回転数を調整します。故障の原因ともなりますので、通常は触る必要がありません。調整が必要な場合は、取扱説明書設定範囲の記載を守って行います。

・寒冷地切り替え
 機種により氷結が予想される環境下(5℃以下での使用)においてはフィルターの操作が必要な場合があります。季節毎に切り替えを行います。

・オイル噴出調整
 チェンソーオイルの噴出量の調整を行います。通常は、調整の必要はありません。乾いた木(冬季の伐採・薪の切断)やヤニの多い木では、オイルの噴出量を多めに調整します。
 燃料タンクあたり、チェンソーオイルタンクの使用量
 管理人の場合:
 ・杉の伐採
 燃料タンク1回あたりでオイルタンクのほぼ全量(オイル不足を防ぐため8割程度とし、使いきらない)
 ・梨の選定
 標準使用。燃料タンク2回あたりでオイルタンクのほぼ全量(オイル不足を防ぐため8割程度)

チェンソーの組立方法

  • チェンソーの梱包
  • ・チェンソーの組立

     メーカーから箱に入った梱包状態です。
     本体、ガイドバー、ソーチェン等がばらされた状態で梱包されています。

  • ガイドバーの取付
  • ・ガイドバーの取り付け

     取り外すカバーです。右のナットを外し、カバーを取り外します。

  • カバーを取外し
  • ・カバーを外した状態

     ガイドバーの取り付け位置に保護用の厚紙がはさまれています。

  • ガイドバーソーチェン
  • ・ガイドバー ソーチェーンの取付

     ソーチェーンを通してから、ガイドバーをはめ込みます。

  • カバーの取付
  • ・カバーの取付

     外したカバーをネジ及びビスが収まるように閉じ、外したナットで仮止めを行います。

  • ガイドバーの調整
  • ・ソーチェーン等の調整

     ガイドバーの先端を持ち上げるようにしながら、調整ネジでガイドバーを動かし、ソーチェンを適正に張ります。

  • 締め付け
  • ・ナットの締付け

     仮止めしたナットを締付け、カバー・ガイドバー等を固定します。

  • チェーンの張り具合
  • ・チェーンの貼り具合

     チェーンの貼り具合は、ガイドバーの種類。長さにより異なります。説明書の表記基準にあっているか確認します。
     写真はソーチェンをひっぱた状態で撮影しています。

  • チェンソー組立
  • ・チェンソーの組立が完了

     形だけ組みあがりました。
     実際に使用するため試運転と安全装置の点検を行います。

  • チェンソーオイルの給油
  • ・チェンソーオイルの給油

     チェンソーオイルを給油します。

  • 混合油の給油
  • ・混合油の給油

     空冷2サイクルエンジンオイルとガソリンの混合油を給油します。自身で混合して給油しても良いですが、不慣れなことによる燃料に関するトラブルは非常に多いです。
     慣れないうちは、割高ですが市販のそのまま使える混合油の使用を勧めます。

  • チェーンブレーキの操作
  • ・チェーンブレーキの操作

     安全装置のチェーンブレーキを操作し、ソーチェンが動かないようにします。

  • 運転スイッチ
  • ・運転スイッチの操作(試運転)

     運転スイッチをonにします

  • 燃料ポンプの操作
  • ・燃料ポンプの操作

     ポンプを数回押し、給油した混合油を循環させます。これで試運転の準備が完了です。

  • 試運転
  • ・試運転

     チョークを閉じ、スターターを引いてエンジンをかけます。
     写真では撮影のため片手ですが、左手でハンドル。足(ひざ)で本体の後部を押さえ固定してエンジンをかけます。

  • 暖機運転・安全点検
  • ・暖気運転・アイドリングの確認

     エンジン始動後、始動用にアクセルレバーが働いています。一度レバーを引きアクセルレバーを解除して1分程度暖気運転を行います。
     エンジンの振動で本体が動くため、動かないよう軍手を下に挟んでいます。

    ・安全装置の確認
     ブレーキがかかった状態で1回ふかし、ソーチェンが動かないか確認します。
    その後、ブレーキを解除して
    ・アイドリング状態でソーチェンが回らないか?
    ・エンストはないか? を確認します。
  • オイル確認
  • ・低速のソーチェーンの動作

     チェンソーオイルがガイドバーに行き渡るように、低速で動くように加減してソーチェーンをふかします。

    ・チェンソーオイルの確認

      ガイドバーを下に向け、ソーチェンを回転させてオイルが噴出されているか確認します。写真では、地面(コンクリート)にオイルの筋が出来たことでオイルの噴出が確認されています。

  • 慣らし運転
  • ・慣らし運転 1回目

     アイドリングで(20分~燃料1回分程度)
    低回転で新品状態からの慣らしを行います。
    ※昨今のチェンソーでは、アイドリングによる慣らし運転は、推奨されていません。低負荷作業で燃料1~2回分程度使用が望ましいそうです。

  • チェンソーの組立完了
  • ・組立の完了

     ガイドバーにカバーを取り付け保管します。

・慣らし運転 2回目
 加減した使用(小口径の枝払い等)で燃料1~2回分程度使用して慣らし運転が完全に終了です。

その他
 チェンソーの組立、エンジン始動方法等は必ず取扱説明書に沿って実施するとともに、注意事項等を確認した実施が必要です。エンジン等の調整についてはメーカの出荷時に行われていることから、多くの場合に調整は不要です。
 紹介している調整等は、搬送過程でのずれ。使用環境にあわせて必要に応じて行います。機種によりチェーンの調整方法。取付方法が異なります。

ブレーキの点検
 紹介に使用した機種では、衝撃(慣性)によるブレーキ動作について点検項目がなかっため紹介していません。多くのリアハンドル型のチェンソーでガイドバーの先端に衝撃があったとき、反動時に慣性によりブレーキが作動することを点検する項目があります。

新品からの使用
 新品のソーチェンの使いはじめは延びが少なからず発生します。慣らし運転や本使用での使いはじめは、ソーチェーンの張り具合に注意が必要です。

初めてのチェンソー購入
 今回の組立は安価な取り寄せによる購入によるものです。説明書を読めば基本的にできますが、使用経験がない初めての購入。チェンソーの清掃等の経験がない場合、組立済みの物。または、不明なことを聞けるサポートがある店頭での購入をおすすめします。

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