Vベルトの交換方法
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・Vベルト交換する農業機械
オートモアです。点検によりカバーを半分開いた状態です。
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・損耗したベルト
Vベルトの一部が損耗によりえぐれて細くなっています。
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・ベルトの規格
カバーの内側に記載されたベルトの規格です。
消耗品のため、多くの機械で本体。又は、取扱説明書にベルトの規格が記載されています。

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・ベルトの背面
規格の記載がない場合には、ベルトの外径に規格が記載されています。規格が不明な場合、古いベルトを取外し同じ大きさと形状の物を用意します。
強度については、クラッチをかねたテンションでVベルトを抑える構造であれば、S又はLタイプです。高熱となる箇所では耐熱性のあるベルトです。
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・ベルトの取り外し
今回のベルトは、クラッチを兼ねている部分です。このため、クラッチを切ったとき(緩めたとき)にVベルトが外れないようアームで脱落防止に抑えらています。ベルトを外すためにアームを緩めVベルトが通るよう隙間を大きくします。
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・ベルトの取り外し
クラッチを切った状態で取り外し作業を行います。
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・交換用Vベルト
ホームセンターに売られている同じサイズのベルトです。古いベルトがSA-37に対して、交換品はA-37です。このため強度が弱く長持ちしませんが、同じ大きさものであれば使用できます。
SAタイプは、ネット通販等で容易に購入できます。時間がある場合は、取り寄せて交換することをおすすめします。今回は土日などで修理を急ぐ場合、緊急措置を前提とした紹介のために使用しています。
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・ベルトの取付
外した要領でベルトをはめ込みます。大型機械の動力部ではベルトの張りをテンションで押さえられているものがあります。
そのような機械では、テンション部分を手のひらで体重を載せるように押さえて緩めてはめ込みます。
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・ベルトの脱落防止
脱落防止に緩めたアームを元の位置に戻します。アームは、Vベルトが緩んだ時に外れない程度の距離にあれば良く、必要以上に近づけないように注意します。
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・クラッチを戻す
クラッチを戻してVベルトが張った状態です。ベルトが十分に張っているか確認します。
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・カバーの取付
安全のためカバーを取り付けます。
・試運転
エンジンを動かし、異音の有無。動作などに異常がないかを確認します。
・作業上の注意
Vベルトの交換では、服の一部や指などが挟まれると大怪我をします。作業中は、エンジンを停止し機械が動かないよう安全に十分配慮します。
また、試運転等でも保護カバーを外した状態は大変危険です。必ずカバーを取り付けてから試運転を行う等、十分に注意が必要です。
・その他
大きな動力の機械では、Vベルトを多重化することにより大きな動力を伝達しています。基本構造や使用されているベルトの規格はほぼ同じとなっています。今回の紹介は、機械の修理業者が休みの時や冬季のメンテナンス時に自身で交換する方法を紹介しています。
通常の交換では、機械の仕様に定まったパーツを使うことが重要です。部品を取り寄せてから作業を行うようにして下さい。
交換で使用するVベルトの強度不足等により危険が生じる可能性がある場合、指定品以外の交換してはいけません。
例:路上を走行する乗用車両(トラクターなど)の動力伝達など
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