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- トラクター等の農業機械のオイル交換は、説明書によると使用時間によるエンジンオイルの交換時期表示が一般的です。しかし、使用時間による交換時期は専門農家や余程使用量の多い機械でないと交換時期には達しません。
このため、エンジンオイルの経年劣化による性能低下を考慮し、半年に1回。または年1回を目安に交換します。
エンジンオイルの交換時期
農業機械の交換実施時期については、春先・秋口(片づけ時)等諸説ありますが、其々にメリット・デメリットがあります。使用環境に沿ったオイル交換が機械には一番です。・使用時間の記載の主な例
定期交換100時間(初回 50時間)等。機械により交換時間は異なります。春先交換
農業機械の使用開始時期前にオイル交換を行います。・春先交換のメリット
使用期間中のオイルが酸化による性能の低下の懸念がなく、オイル性能が十分に働きエンジンを保護してくれます。・春先交換のデメリット
春~夏に向けて、高温環境下を想定したエンジンオイルの粘土(10W-30等)を選択します。このため、冬季に使用する場合の低温性能に合わない場合、オイルが粘土高く(硬い)エンジンの始動不良(かかりにくい現象)が起きます。
汚れたオイルが動かない状態でオイルパン等に長期間残るため、特にディーゼルエンジンで沈殿により底や側面に汚れがこびりつきます。
秋口交換
農繁期が終わった冬に向けての片づけ時にオイル交換を行います。・秋口(片づけ時)交換のメリット
オイル内に溶け込んだ汚れの沈殿や付着を防止することができます。経験はありませんが、無用なトラブルを防止するとも言われています。オイルパン等の底や側面にこびりつくカーボン等の層の形成の抑制になり、新しい使用したエンジンオイルが汚れにくくなります。
・秋口(片づけ時)交換のデメリット
秋頃に使用する農業機械。秋まで使用する農業機械では、約1年経過したエンジンオイルで運転することになります。エンジンオイルの酸化が気になる人にとっては、あまり好ましい状況ではありません。
エンジンオイルの酸化について※
エンジンオイルは、使用量が少なくても酸化による性能低下の懸念から6カ月の交換が推奨されるというのが一般的です。エンジンの違いによるオイルの状態
・ディーゼルエンジン
主な機械:トラクター、スピードスプレーヤ、コンバイン等・特徴
洗浄作用によりカーボン等の汚れをオイルが洗浄するため、汚れるのが早く常に真っ黒の状態。・ガソリンエンジン
主な機械:自走式草刈機、運搬車、小型除雪車、田植え機等・特徴
ディーゼル車に比べると、見た目の汚れが酷くない。お勧めする交換時期
ガソリン機械では、春先。(汚れの沈殿量が少ないため)ディーゼル機械では、春先又は秋口。
農業機械エンジンオイル交換の実際
使用時間の短い農業機械では、2~3年に1回の交換でも定期的に交換を実施さえしていれば、エンジンオイルが漏れている等の障害がない限りそれが原因で壊れることはほぼありません。意見が分かれるところですが、それでも毎年実施するか、2年毎にするかはかなりどちらでも良い。という感じです。次ページ:農業機械のエンジンオイルのグレード