- 農業機械メンテナンスナビ>刈払機のメンテナンス方法>チップソー目立ての仕方
- 最も消耗が激しく定期的に交換や目立てが必要となる刈払機の回転刃。刃先をヤスリ(ダイヤモンドヤスリ・ダイヤモンドディスクグラインダー)で目立てを行うことで切れ味を回復させることができます。
切れ味の良い刃は作業効率が高くなるだけでなく、エンジンや機械への負担を軽減させることができます。・目立てを行う刃
磨耗したチップソー等の回転刃に、ヤスリやグラインダーを使用して目立てを行います。
ホームセンター等で売られている格安の刃(1枚1,000円以下の安いチップソー)では、目立てが必要なほど磨耗する前にチップが外れるため目立ての必要はありません。チップが飛ん(外れ)だチップソーは、切れ味が悪いだけでなく回転時の重心バランスが悪くなるため早期に交換が必要です。
・目立てを行うヤスリなど
チップは硬い素材(タングステンを母材とした粉末焼結合金)となり、通常の鉄ヤスリでは削ることが出来ません。ヤスリやグラインダーの刃はダイヤモンドヤスリやダイヤモンドディスクが必要となります。
ダイヤモンドヤスリ等はチップソーの目立て専用品の方が望ましいです。しかし、ダイヤモンドヤスリであれば100均の物でも長持ちはしませんが使用できます。
・目立て作業
丸くなった(大きく摩耗した)チップを本格的に研ぎ直すには刈払機からチップソーを外し、ディスクグラインダーでチップ一個毎に丁寧に目立てを行う必要があります。
硬いチップを手作業(ダイヤモンドヤス)でしっかりと目立てを行う作業は困難です。しかし、刈払機に取付けたまま定期的(給油毎や使用した日の使用後)に目立てを行うことで切れ味を保つことが出来ます。手作業ではチップのぶつけた跡(カエリ)を均す。見た目が変わらなくてもヤスリでチップ先端を数回(3~5回)研ぐだけでも切れ味が大きく回復します。
チップソーの目立て方法
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・ダイヤモンドヤスリ
目立てに使用するダイヤモンドヤスリです。チップの形状が曲線(R型など)であれば内側に半丸型。背側に平型を使用します。
通常のチップ形状では内側・背側共に平型を使用します。 -
・チップの形状
チップソー奥側が曲線のチップ(R型)。手前側が通常のひし型(通常タイプ)のチップが埋め込まれています。
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・R型チップの目立て
半丸型のダイヤモンドヤスリを使用し、内側の曲線に合わせてチップを削ります。ヤスリはチップの先端部分の角が立つようにチップソーに対してヤスリが垂直になるように立てて削ります。 -
・R型チップ背面の目立て
平型のダイヤモンドヤスリを使用してチップ背面とチップ短くなったことで凸部となる取付部分合わせて削ります。
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・通常チップの目立て
平型のダイヤモンドヤスリを使用し、チップ内側を削ります。ヤスリはチップの先端部分の角が立つようにチップソーに対してヤスリが垂直になるように立てて削ります。
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・通常チップ背面の目立て
平型のダイヤモンドヤスリを使用してチップ背面とチップ短くなったことで凸部となる取付部分合わせて削ります。
・目立て量の目安
ヤスリを使用した手作業による目立てでは、見た目に大きな変化がわかる程の目立て労力的に困難です。チップ一周を定量(内側、背面各3~5回ヤスリで削る)で削ります。素手で触り目立て後にチップの角が尖っていれば目立て完了です。(目立て前は角を丸みを帯びて手に引っ掛かりがない。)
・あさり割り
笹刈刃や下刈刃にはノコギリの刃のようにアサリ割り(刃先が左右互い違い起き上っている)がされています。目立て作業では研ぐほか、均一にアサリ割りを振り分けることが必要となります。・目立て作業時の注意
目立て作業では、削る工程で刃が高温になると強度が低下して破損(チップ飛び)の原因となり危険です。ディスクグラインダー等の電動工具を使用する時は、刃が発熱しないよう注意し少しずつ削ります。
この他、削り作業での亀裂の発生。又は亀裂を発見した時は危険なため刃の交換の検討が必要です。
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