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農業機械メンテナンスナビ単管パイプの利用とメンテナンス方法>単管パイプとは
 単管パイプ(構造用鋼管)はJIS規格により直径が48.6mmに規定された建築工事で使用する仮設足場用の鋼材です。単管パイプは耐荷重性に優れ、屋外でも腐食耐性(防錆)が高く長期に使用することができます。更に耐久性等に比べ安価あり、ホームセンターでも入手可能であるため、農業や家庭でのDIYなどの屋外や重量物の保管など様々な場所で活躍する資材です。
単管パイプの種類
 単管パイプはJIS規格により直径が48.6mmは統一されています。このため、どこで購入してもクランプ等の部材を共通して使用することが出来ます。
 しかし、材質と材質に伴う強度。防錆処理等に違いがあり、応じて価格にも差があります。
材質:
・一般炭素鋼鋼管 厚み2.4mm 従来品
・特殊鋼管材(高張力炭素鋼材) 厚み1.8mm 現在の主流
 従来品と比較して材質を変更することで強度を高め、薄く軽量に改良されている。
長さ:
 多くの店舗で50cm刻みで販売されています。
 その他のサイズが必要なとき、有料でのカットサービス(50~200円程)。ディスクグラインダーやパイプカッターを使用して切断することができます。
 また、ジョイントを使用することで延長することも出来ます。
・防錆処理
 ・電気亜鉛メッキ(先メッキ)
 防錆被膜が薄く効果期間が短い5~10年程
 ・溶融亜鉛メッキ(ドブメッキ)
 防錆被膜が薄く効果期間が長い10~20年程。(付着亜鉛量はメーカーやグレードにより異なるため、メッキの状態と使用環境によっては40年経過しても錆びません。しかし、実際には製品毎の品質のバラツキ。曝される環境。作業時などの塗膜の傷付きにより錆びる状況に大きな差があります。)

単管パイプのメリット
・丈夫(耐荷重性に優れる)
 横向きに使用した時の単管パイプの耐荷重:
 長さに対する中間荷重(荷重を掛けてたわみが元に戻れる荷重)で製品により異なるため目安値:1m 243kg、2m 122kg、3m 81kg、4m 61kg、5m 49kg、6m 41kg
 クランプ1個当たりの耐荷重:
 直行クランプ500kg、自在クランプ350kg
・優れた腐食耐性(防錆)
 単管パイプは亜鉛メッキ(グレードにより異なる)により、鋼管(鉄)でありながら高い防錆性能があり屋外でも長期に使用できます。
・安価かつ入手し易い
 ホームセンター取扱品で1m当り600円程度から市販されています。
・組立が容易
 単管パイプを接続するクランプの他、様々な専用部材が市販され小屋やカーポート。仮設舞台や階段。柵などを容易い組立てることが出来ます。
・取扱易い
 強度に対して意外と重量が軽く、1m当り肉厚1.8mmで2.1kg。肉厚2.4mmで2.7kg程度です。
・処分、再利用が容易
 用途がなくなった単管パイプは、解体してまた別の物を組立てる時に再利用することが出来ます。また、金属の塊であるため、運搬方法さえあればリサイクル業者に持ち込むことで無料(量があれば買取してくれる)で処分することが出来ます。

単管パイプのデメリット
・見た目が無骨
 パイプ及びクランプ等が金属部材のため、見た目が無骨な印象を与えます。
・パイプの先端、クランプによる怪我をし易い
 パイプ先端やクランプが基本的に露出するため、位置によってはそのままだとケガ等をし易くなります。パイプ先端にキャップ。クランプにカバーを設けることで解消できます。
・塗装し難い
 表面が亜鉛メッキのため、そのままでは塗料がのらず剥がれやすくなります。表面にメッキ用のプライマーを使用(下塗り)することで塗装することができます。
・金属故錆びによる腐食がある
 亜鉛メッキによる防錆処理をされていますが、何れ亜鉛メッキの防錆性能が低下して錆びによる腐食が発生します。特にホームセンターで市販されている安価な単管パイプ(電気亜鉛メッキ)やクランプ(ユニクロメッキ)は、単管パイプで10年程。クランプは5年程度で錆が発生します。
 高価なドブメッキ(溶融亜鉛メッキ)であれば倍程(単管パイプ20年程。クランプ10年程度)持ちます。※

単管パイプの使用例
・農業
 農機用等のカーポート。作業小屋内の重量物用の棚。防風ネット用の支柱。吊り上げ装置の三脚の足 など。
・家庭などのDIY
 カーポート、物置、家庭菜園サイズの果樹棚の支柱、管理地の柵、遊具などの支柱、催事などの舞台や階段 など。

単管パイプの部材

  • 単管パイプ
  • ・単管パイプ
     直径48.6mm厚み1.8mm、ホームセンターでの市販品。単価1m当り600円~。
  • クランプ
  • ・クランプ
    ・自在クランプ(写真右)
     単管をどのような角度にも繋ぐことができるクランプ。
    ・交差クランプ(写真左)
     単管を直交に繋ぐためのクランプ。
     単価各200円~。
     防錆に優れたドブメッキタイプでは単価各1,000円~。※
  • 固定ベース
  • ・固定ベース
     単管パイプを支えるためのベース。 単価300円~。防錆に優れたドブメッキタイプでは単価各1,000円~。
     高さを調整できるジャッキベースでは1,100円~。

     

  • タルキ止めクランプ
  • ・タルキ止めクランプ
     垂木と単管パイプを固定するためのクランプ。垂木を使うことで合板等様々な物を取り付けることが出来るようになります。 単価200円~。
  • ソフトカバー
  • ・保護具
    ・ソフトカバー
     クランプの突起部分を養生するカバー。単価100円~。
    ・単管キャップ
     単管パイプ先端部には単管キャップを使用します。単価30円~。
  • パイプジョイント
  • ・パイプジョイント
     単管パイプをつなげるジョイント。金額が高くなりますが、組立後突起がなく、パイプと同色なためスッキリとした仕上がりになります。カーポートや小屋の組立に適しています。
     T字、L字 単価1,000円~。
     形状により単価1,000~2,000円程。
  •  
・この他の部材
 本ページで紹介した部材は代表的な物の一部です。販売コーナーにはこの他にも様々な便利な部材が並びでいます。

※亜鉛メッキのクランプの購入について
 亜鉛メッキのクランプはホームセンターの店頭に販売してなくても(基本的に店頭にない)問い合わせれば取り寄せ出来ることもあります。しかし、価格は800~1,200円程と通常のクランプと比較して高額な上、価格帯にも大きな開きがあります。
 単管を組立てる際、予め必要個数を算出してネット通販で纏めて取り寄せ、不足した分を店頭の通常クランプを購入することで比較的安価に揃えることができます。また、通常のクランプを使用し、後からジンクリッチペイント(常温亜鉛めっき「ローバル」など)を塗り防錆を高める方法もあります。



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