- 農業機械メンテナンスナビ>スピードスプレイヤーのメンテナンス方法>スピードスプレイヤーの冬季保管の方法(凍結予防対策)
- スピードスプレイヤー等の動力噴霧器の冬季における長期保管では、ポンプ内等で水が凍結することにより、深刻な破損となるためその予防対策は重要です。使用する地域の最低気温と保管場所の環境にあわせた必要な予防対策を行うことが重要です。
なお、凍結予防対策では排水による方法と不凍液を使用した方法があります。不凍液を使用した方法はページ下部に記載しています。
噴霧系統の凍結予防対策
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・噴霧コックの開放
動力噴霧器内の排水を促すため噴霧コックを全て開放します。 -
・動力ポンプからの排水
動力ポンプ側面及び下部にあるドレインを緩めて内部の水を排水します。
動力ポンプに使用していないノズル取付口がある場合、コックを開放して排水します。 -
・薬剤ドレインからの排水
薬剤タンクの水を抜くためのドレインを開放し、内部の水を抜きます。 -
・ストレーナ―からの排水
薬液から固形物等の異物を除去するためのストレーナーを外し、ストレーナ内と動噴ポンプ系路上の水を排水します。 -
・噴霧ノズルからの排水
噴霧コックに対応した一纏めの噴霧ノズルの内、最も下部(低位置)にあるノズルを外してノズル側(ノズル及びノズルを固定している配管)の水を排水します。 -
・一般の長期保管対策
・ラジエターからの排水
ラジエターの不凍液(LLC)の不凍温度を下回る最低気温の場合、不凍液(LLC)を排水します。濃度を高めることで凍結予防できる場合、補充する分のみを排水して継ぎ足します。
※継ぎ足し場合、濃度が拡散するようエンジンを始動させ十分にラジエター内部で不凍液を拡散させる必要があります。
方法が不明な場合の参考ページ:
共通メンテナンス項目 > ラジエーター液交換 -
・タイヤの変形予防
長期保管によるタイヤの変形を予防するため、使用時より空気圧を10%程度高めておきます。
地面に直接駐車しておく場合は、鉄板やベニヤ板等の上に駐車します。
又は、
月に1回程度エンジンを始動させてタイヤの設置面を変える方法でも変形を予防できます。
燃料タンクの補充
ディーゼル機械では、結露による燃料タンク内の水の混入を予防するためタンクを(満タン)軽油で満たしておきます。燃料が少なくタンク内に大きく空間が残っていると気温の変化によりタンク内の空気が外と息をするため、徐々に混入する水の量が増えていきます。不凍液(LLC)を使用した凍結対策
動噴設備の凍結予防では、ラジエーターに使用する不凍液(LLC)を使用することでも凍結を防止することができます。不凍液(LLC)を使用する方法では、凍結予防とともに冬季の間の防錆を図ることが出来ます。しかし、不凍液(LLC)の廃棄に手間がかかります。不凍液を使用する場合、薬液タンクに不凍液と希釈するための水を加えポンプ及び配管を通すだけです。作業では不凍液をよく撹拌し、巡回系統と噴霧系統の両方を通します。
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