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- 単管パイプ(構造用鋼管)は厚み1.8mm又は2.4mm。直径48.6mmで亜鉛メッキがされた丈夫な鋼管であるため、切断には専用のパイプカッターや、電動の金属を切断する機材が必要となります。また、切断により地金が露出すると、錆による腐食耐性大きく低下するため切断面に対して防錆処理が重要となります。
単管パイプの切断工具
・パイプカッター
電源を必要としない手動工具。切断時に火花等が発生せず安全に作業できます。コツ(丁寧に作業する必要)があります。
本体3,000円~。替刃1,200円~。
・ディスクグラインダー
小型の電動工具。主に砥石による研磨作業に使用する工具ですが、切断砥石に交換することで切断することができます。ディスクグラインダーは、単管パイプの長期使用や再利用する際の錆取り等に必須となる電動工具のため、本ページもディスクグラインダーを使用した切断を紹介しています。
本体3,000円~。切断砥石70~2,000円程
本ページでの使用品:ディスクグラインダー2,800円程。切断砥石70円程です。70円の切断砥石1枚でも単管パイプ数本を切断できます。
・高速切断機(電動カッター)
鋼材等を切断する専用の電動工具。切断に関して短時間で作業できます。
本体12,000円~。切断砥石400~2,000円程。
ディスクグラインダーでの切断資材
・ディスクグラインダー
本来の用途は錆び取り等の研磨用具ですが、砥石を変更することで切断や切断後のバリ取りすることができる電動工具です。ホームユース100mm用サイズ、コード式で3000円程から。充電式で12,000円程から。
・切断砥石
切断専用の砥石。鉄工用100mmサイズで70円程から。
・オフセット砥石(標準の砥石)
取付部から外周部が隆起(段差)し、表面研削用の砥石。ディスクグラインダー購入時に付いている標準の砥石。
・ダイヤモンドヤスリ 丸型
機械で取り切れないバリを取るために使用します。100均の物で充分活躍します。
・金属ブラシ
切断時の鉄粉を除去するために使用します。100均の物で充分活躍します。
・マジック
切断箇所をマークに使用します。円筒のマークでは、紙等を巻くなどして線を引くとズレずにマークすることができます。
・ハンマー等の叩く工具
単管パイプはある程度切断したら残りは叩き折ることで切断できます。本ページではハンマーの代わりにレンガで叩き折って切断しています。
・防錆剤
切断部に露出した地金の錆止めの亜鉛メッキ用の防錆剤。
本ページでは「カンペハピオ ジンクリッチスプレー」1,800円程を使用しています。この他、手軽に使用するには常温亜鉛メッキ「ローバルスプレー」1,600円程が適しています。量が多い場合は、同一製品の液体塗料が適しています。
・保護メガネ
切断時に飛散する鉄粉から目を保護するために使用します。
・マスク
切断時に飛散する粉塵(鉄粉)を吸い込まないように使用します。
・その他怪我し難い服装
軍手(出来れば皮手袋)、難燃素材の長袖・長ズボン、安全靴など
作業上の注意
ディスクグラインダーは小型のハンディ工具ですが、高速で砥石が回転する強力な電動工具です。使用時は取扱説明書を確認し、怪我などに注意が必要です。
怪我防止:
切断作業では鉄粉の飛散や断面が高温となるため、保護メガネ、手袋等の基本的な保護具の着用が必須となります。
使用時は両手で持ち、作業中の反動による跳ね返りに注意します。また、単管パイプなどの対象物はしっかりと固定して作業を行います。
切断作業では、切断砥石カバーの取付(交換)が必要です。通常のカバーでの切断砥石の使用は禁止されています。
事故防止:
切断・研磨作業時、多量に火花が発生します。衣服は難燃素材を着用し、周囲に可燃物がない箇所で作業を行います。
故障防止:
ホームユースの安価なディスクグラインダーは、モーターに過負荷を与えると特に故障し易いです。切断作業では、砥石を無理に押しあてず(優しく当てる程度)時間をかけて少しづつ削ります。また、砥石も強く当てると消耗が早くなります。
単管パイプのディスクグラインダーによる切断方法
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・切断資材
・防錆剤「ジンクリッチスプレー」
・砥石「オフセット砥石」
・砥石「切断砥石」
・ディスクグラインダー
・ダイヤモンドヤスリ 丸型
・金属ブラシこの他、軍手、保護メガネ、長袖、長ズボン、靴(安全靴)を着用して作業します。 -
・切断個所のマーク
単管パイプの切断個所をマジックで1周分印をつけます。 -
・ディスクグラインダーによる切断
単管パイプを固定して作業します。写真では階段の段差とレンガで挟み、足で押さえています。
1.切断砥石で単管パイプを一回り、浅く削るように筋をつけます。
2.1でつけた筋にそって無理に力を加えずに削ります。砥石が貫通すると抵抗が大きくなるため、薄く残るようにして周回を満遍なく削ります -
・ディスクグラインダーの切断終わり
全体(1周)が深さで8割程削ったらディスクグラインダーでの切断を終えます。
完全に切断するまでディスクグラインダーで作業するとモーターや砥石の負荷と消耗が大きいだけでなく、反動があるなど危険が大きくなります。 -
・単管パイプの切断
ハンマー等で削った箇所で叩き折り、切断します。写真では手元にあったレンガで叩き折りました。 -
・断面
叩き折った単管パイプの断面です。断面は尖ったバリがあり危険な状態です。 -
・バリ取り
ディスクグラインダーの砥石をオフセット砥石に取り換え、砥石の面で断面のバリを削り落とします。内側のバリの除去は危険なため無理せず削れる範囲のバリ取りを行います。 -
・切断時の鉄粉などの除去
切断時の鉄粉が残ると錆が発生するため、ブラシで鉄粉を除去します。 -
・ヤスリでバリ取りの仕上げ
ディスクグラインダーで除去出来なかった、単管パイプの内側に残ったバリをダイヤモンドヤスリ 丸型で除去します。 -
・亜鉛メッキの防錆処理
切断面や作業により塗装が剥がれた箇所を防錆スプレーで塗装します。
ディスクグラインダーの他、ヤスリ、金属ブラシを当てた箇所に防錆スプレーをかけます。
防錆剤は単管パイプの防錆剤と同じ亜鉛を含む「ジンクリッチスプレー」 を使用しています。
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