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農業機械メンテナンスナビ共通メンテナンス項目>農業機械の片付け
 農繁期に活躍する各種農業機械は、冬季をはじめとした閑散期では長期に使用しないため、長期保管前の片付け方法が非常に重要です。片付けが悪いと長期保管明けのトラブルが多くなるだけでなく、農業機械の劣化が早まり寿命も大きく損ないます。長期保管前は、難しい作業や専門の知識がなくても出来る範囲で適切な片付けを行います。
長期保管明けの主なトラブルと対策
1.エンジントラブル
 長期保管明けに最も多いのがエンジンが始動しないトラブルです。
 ・キャブレター詰まりによるトラブル
 ガソリンや混合油の機械では、燃料と空気を混合するキャブレター内部に残る燃料が劣化することで詰まりが発生します。
 長期保管前にはキャブレター内部の燃料を完全に排出し詰まりを予防します。
 ・エンジンシリンダーの固着
 長期間エンジン内部のシリンダーが動かないことでシリンダーが固着します。
 固着防止方法には、
 ①リコイルスターターを引き適切な位置で止める。
 ②点火プラグを外しエンジンオイル(2サイクルエンジンオイル)を数滴注油してリコイルスターター数回引いてオイルを馴染ませる。の2通り。
 ①のリコイルスターターを適切な位置で止める方法は、工具などなく手軽で容易に予防を行うことが出来お勧めです。リコイルスターターの適切な停止位置は、数回引き、重くなった状態(圧縮状態)で停止させます。
2.燃料トラブル
 燃料タンクは空気が残る隙間があるとタンク内部で錆の発生や、結露した水が発生します。 ガソリン・軽油では満タンにすることでタンク内の腐食による異物(錆)、結露水による燃料への水の混入を予防します。
 混合油では燃料タンクを空にすることで劣化の早い燃料によるトラブルを防止します。
3.腐食(錆)の進行
 土等による汚れは金属部の腐食(錆)や樹脂・ゴムパーツの劣化を進行させます。長期保管前に丁寧に洗浄することで腐食・劣化を予防します。また、洗浄時の水分も錆を進行させるため、完全に乾かした後、注油(グリスやオイル)で防錆を行います。
 洗浄では大きな汚れを落とす時に農業用水を使用することもあります。しかし、洗浄の仕上げは不純物を含まない水道水(上水道)を使用することで腐食をより効果的に予防することができます。
4.バッテリートラブル
 バッテリーを接続した状態は、自然放電に電力が失われます。また、バッテリーは低温に弱いため冬季に繋いだまま放置すると性能が大きく低下します。
 長期保管ではバッテリー端子を外しておく。寒冷地ではバッテリーを農業機械から降ろして倉庫に保管し、自然放電による電力の喪失と低温よる性能低下を予防します。

農業機械の片付け(冬季・長期保管時)

  • 農業機械の洗浄
  • ・農業機械の洗浄
     高圧洗浄機等を使用して土等の汚れを丁寧に洗浄します。
     土は塩分を含むため、錆が侵攻します。また、大きな土の固まりは長期保管により硬くなるため、可動部の故障原因となります。
  • 洗浄後の乾燥
  • ・洗浄後の乾燥
     洗浄による水の付着は錆を発生させます。洗浄後は十分に乾燥させ、夜露に曝すことなく倉庫等に片付けます。天候や時間帯により十分な乾燥が出来ない時では、扇風機と除湿機等を使用して水分を完全に乾かします。
  • 燃料コックの閉鎖とガス欠状態での停止
  • ・ガソリン燃料ではコックの閉鎖とガス欠状態での停止
    ・ガソリン燃料
     エンジンが稼働した状態で燃料コックを閉鎖し、ガス欠によりエンストするまで低速で運転します。
    ・軽油燃料
     燃料コックは操作しません。
    ・混合燃料
     エンジンが稼働した状態で燃料タンクを開いて逆さまにするなどして内部の燃料を燃料完全に抜き、ガス欠によりエンストするまで低速で運転します。
  • 燃料フィルター等の燃料の廃棄(ガソリンのみ)
  • ・燃料フィルター等の燃料の廃棄(ガソリンのみ)
     ガソリン燃料では燃料フィルターを外し、フィルター下部に溜まった燃料やゴミや水を廃棄します。
     ※室内での燃料廃棄では、燃料の臭いが残る為、予め受け皿を用意して燃料をこぼさないよう注意します。
  • キャブレター内部の燃料の廃棄(ガソリンのみ)
  • ・キャブレター内部の燃料の廃棄(ガソリンのみ)
     キャブレター下部のドレイン用のネジを緩め、内部の燃料を廃棄します。
     燃料フィルターを外した状態で行うことで、間のホース内の燃料も廃棄することが出来ます。
     ※室内での燃料廃棄では、燃料の臭いが残る為、予め受け皿を用意して燃料をこぼさないよう注意します。
  • リコイルスターターによる固着予防
  • ・リコイルスターターによる固着予防(ガソリン、混合油共通)
     リコイルスターターを数回引き、重くなった状態(圧縮状態)で停止させます。
  • クラッチの固着防止
  • ・クラッチの固着防止
     クラッチ板が固着するのを防ぐため、走行クラッチは切りの状態にしておきます。トラクター等の踏み込むクラッチでは、踏み込んだ状態で金具で固定ます。 
  • タイヤのエアー補給
  • ・タイヤのエアー補給
     トラクターをはじめ農業用機械のタイヤは非常に高価な部分です。エアーが不足したまま長期保管を行うとタイヤの変形。ひび割れ・パンクの原因となります。
     適正なエアー圧又は、目視で変形が無い程度にエアーを補給しておきます。
  • 錆止めの使用
  • ・錆止めの使用
     洗浄による水分が完全に乾いてたからグリーススプレーやオイルスプレー、この他各種錆止め剤でで錆止めを行います。グリスニップルで内部の古いグリスや水分を押し出す箇所では、グリスアップを行います。
  • バッテリー端子の取り外し
  • ・バッテリー端子の-側の取外し
     手間をかけない方法としては、バッテリー端子の-(マイナス)側のみを外しておくことで自然放電を予防することができます。
・燃料の給油
 ・ディーゼルエンジン(軽油燃料)
 タンク内に空間があることで気温差により息(空気の出入り)をして、結露による水が燃料に混入し深刻なエンジントラブルを起こします。軽油は長期保管だけでなく、基本的に作業終了後は常に燃料タンクを満タン状態にしておきます。
 ・4サイクルエンジン(ガソリン燃料)
 タンク内に空間や水分があるとタンクの内側が腐食(錆)が発生し、燃料に異物が混じります。
 最適な方法では燃料タンク内部を完全に空にして燃料や水分を完全に乾かします。しかし、手間が大きいため、燃料を満タン状態にして内部の腐食を軽減させます。
 ・2サイクルエンジン(混合燃料)
 混合燃料は劣化が早いため長期保管は基本的に出来ません。機械の燃料タンクを含め、混合済みの燃料は全て廃棄します。(市販品では長期保管可能な混合済み燃料もあります。)

・この他
 本ページは農業機械の片付けに着目し、より簡単に行える範囲でのみ紹介しています。詳細なメンテナンス方法は、メニューの各メンテナンスページを参考にして下さい。


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