- 農業機械メンテナンスナビ>共通メンテナンス項目>農機具のエンジンオイル交換方法
- 農業機械のエンジンオイルは、使用頻度が少ない機械でも酸化により劣化するため定期的な交換作業が必要です。
機械を長く使用するためには欠かすことの出来ないメンテナンス項目です。紹介に交換した機械は、小型4サイクルエンジンを搭載したオーレックのオートモアです。
・使用資機材
・ガソリンディーゼル兼用オイル 10w-30 価格 1㍑当り300~400円程度
・オイルジョッキ ・廃油処理パック(オイル処理箱の自作についてはページ下部参照) ・メガネレンチ等
・オイル交換頻度
ガソリン・ディーゼルエンジン共通、使用時間が少なくても年1回(オイル酸化によるエンジンの損傷を防ぐため)
・実施時期
基本的に春先(使用する時期の前)
・その他
トラクター・スピードスプレーヤ等の大型農業機械では車同様にオイルエレメントが使用されています。小型のガソリン機械等ではオイルエレメントがないため、オイル交換のみとなります。
・オイルの価格差について
ホームセンターには、ピンからキリまで様々な価格帯のエンジンオイルが市販されています。農機具の取扱い説明書の粘土(10W-30等)、品質(SD/CD等)、使用エンジン(ディーゼル、ガソリン)の条件を満たす物であればどれでも使用できます。オイルの価格差による使用感やエンジンの持ちについて、どの価格帯を使用しても大差ありません。管理人は最安値で売られているガソリンディーゼル兼用オイルを使用しています。
オイルの種類等について詳しくは、「農業機械のエンジンオイルのグレード」へ
エンジンオイルの交換方法
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・使用資機材
・オイルジョッキ1リットツ ・工具 ・エンジンオイル ・廃油処理パック
他のオイル交換で使用済み(開封済み)のため、ゴミの付着防止に2重の袋に入れてあります。 -
・エンジンの暖気
・廃油処理パックの設置5分程度暖気運転を行い、オイルが暖かい状態で作業を行います。オイルは暖かくなることで流動性が増し流れ出やすくなります。また、オイルパンに沈殿したカーボン等の汚れも対流により巻き上げられオイルに混じり排出しやすくなります。
ドレインの真下に廃油を受けるため廃油処理パックをおきます。 -
・エンジンオイルのドレインプラグ
エンジン直下のオイルパンにあるドレインプラグです。 機械により位置が異なりますが、エンジン下の側面。又は、エンジンの真下にあります。
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・エンジンオイルの排出
プラグを外してオイルを排出します。オイルは、高温の場合もあるため火傷に注意します。
排出したオイルは、オイル処理パックで受けます。
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・エンジンオイルの注入口
オイルの注入口を明けます。注入口を明けることで空気の取り込み口となり、早くオイルが排出されます。
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・ドレインプラグの取付
オイルの排出が終わったら、ドレインプラグを取付します。ドレインプラグにパッキン(ガスケット)がある場合は、忘れずに取り付けます。
オイルが完全に抜けきる前でも、気にせずに取付しても支障ありません。力任せに締め付けるとオイルパンが損傷します。グッと一回絞める程度で十分です。パッキンは銅等の柔らかい金属のリング状の金具又はゴムです。一見すると平座金(ワッシャー)にしか見えないものあります。 -
・オイルの計量
オイルジョッキを使用して、オイルの規定量計量します。規定量は取扱説明書、農業機械の本体(エンジン回り)に明記されています。
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・オイルの注入
規定量がわかる場合には規定量を目安にオイルを入れます。規定量が不明の場合、オイルゲージを確認しながらオイルを入れます。
エンジンの構造によって、規定量を入れると入れすぎとなる場合があります。規定量の8割程度入れた後は、ゲージを見ながら少しづつ足し、オイルゲージを優先して入れます。
紹介した機械(オートモア)では、規定量0.9リットルに対して約0.74リットル程度でゲージ量となりました。 -
・オイルゲージの確認1
平地でオイルゲージを再確認し、オイルが規定量入っているかを確認します。注入口の蓋が兼オイルゲージの場合、注入口に差し込んだ状態で計ります。(捩じ込まない。)
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・オイルゲージの確認2
オイルゲージは、F(FULL)の位置。または、F側より低位置でFに近い位置なるようにオイル量を調節します。入れすぎた場合、ドレインプラグから抜くか、注入口を明けた状態で本体を傾ける。
注入口をスロットをゆっくり引く※少し抜くことが出来ます。
※エンジン始動してしまうとオイルが泡立つため計量できなくなります。泡立った場合は、5分以上経過してから再度計量します。 -
・残ったオイル
規定量を先に計量してオイルを注いだ結果、実際にオイルジョッキに残ったエンジンオイルです。実際、規定量を入れると入れすぎという場合が多くありますので注意してください。
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・オイル処理箱の自作方法
オイルを廃棄するオイル処理箱を自作する場合、オイルが完全に吸収できる。オイルが漏れないことが必要です。
写真では段ボール箱に大きな2重袋かけ、クシャクシャにした多量の新聞紙を入れて自作しています。捨てる古着等があれば新聞紙より古着の方がお勧めです
使用後、燃えるゴミとして段ボール箱ごとゴミの指定袋等に入れて処分を行います。
・その他
トラクター・SS(スピードスプレイヤ)等の大型機械は、機械ごとのメンテナンス内容でもオイル交換を紹介しています。・トラクターのエンジンオイル交換方法 へ
・スピードスプレーヤーのエンジンオイルの交換方法 へ
・廃棄するオイルの処分方法
廃棄するエンジンオイルは、廃油処理パック等で吸収してオイルが漏れないように密閉することで燃えるゴミとして処分することが出来ます。容量の不足する廃棄処理パックを使用するなど、液体の状態であると燃えるゴミとして処分することが出来ません。自治体の処分方法に従って処分を行います。ラジエーターの冷却水(LLC)の廃液処理では、高吸水性ポリマーや紙おむつを使用します。詳しくは、「LLC(クーラント液)の廃棄・処分方法」ご参照下さい。
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