- 農業機械メンテナンスナビ>スピードスプレイヤーのメンテナンス方法>スピードスプレーヤーのエンジンオイルの交換方法
- 農業機械の内、スピードスプレーヤは他の農業機械と異なり特に車高が低い設計となっています。
このためエンジンオイルの交換のためにエンジン下部のオイルドレインからオイルを排出するためには、古い機種では車体を持ち上げての作業が必要となります。
・紹介に使用した機械
丸山製作所 ステレオスプレイヤ
・使用資機材
・ガソリンディーゼル兼用鉱物オイル 10w-30 価格 1㍑当り300~400円程度
・オイルジョッキ5リットル ・廃油処理パック ・クリーパー(寝台) ・工具(レンチ類)
オイルの種類等について詳しくは、「農業機械のエンジンオイルのグレード」へ
・車体の持上げ等に使用した資機材
・アルミブリッジ・コンクリートブロック(輪止めにも使用)
・オイル交換頻度
年1回(使用頻度が少なくてもオイルの酸化によるエンジンの損傷を防ぐため)
・実施時期
3月(春の防除の前)
スピースプレーヤーのエンジンオイルの交換
-
・エンジンの暖気
オイル交換の前に5分程度の暖気運転を行います。
・車体の持ち上げ
車高が低くエンジンの下に入れない為、車体を持ち上げます。
コンクリートブロックの上にアルミブリッジ載せてその上に後輪を載せて車体を持ち上げます。※1
車体が動かないよう、ギアをバック。サイドブレーキ。輪止め等を行います。 -
・エンジンオイルのドレインプラグ
エンジン直下のオイルパンの真下にあるドレインプラグです。
紹介に使用したスピードスプレーヤは、エンジンの真下にある機種の為、寝台(クリーパ)を使用して車体の真下から撮影しました。
右上の丸い部分が後輪のデフ、下に横長に写るのがマフラーの間の奥にあります。 -
・エンジンオイルの排出
プラグを外してオイルを排出します。
仰向けの作業のため、オイルが自分にかからないよう注意しドレインプラグを外します。
また、暖気運転のし過ぎでオイルが高温の場合もあるため、火傷にも注意します。 -
・ドレインプラグの取付
オイルの排出が終わったら、ドレインプラグを取付します。ドレインプラグにパッキン(ガスケット)がある場合は、忘れずに取り付けます。
パッキン劣化による腐食。紛失した時にはカー用品のエンジンオイル用のドレインパッキンで大きさが合うもので代用できます。※2
オイルが完全に抜けきる前に取付しても支障ありません。 -
・オイルの注入
エンジン上部のオイル口からオイルジョッキを使用してオイルを入れます。
オイルは取扱説明書明記の規定量を入れると入れすぎとなる場合があります。
初めて作業する場合、規定量の7~8割程度を入れ残りはオイルゲージを確認しながら入れます。
オイルが零れた場合は、可能な範囲で拭き取りします。 -
・オイルゲージの確認
オイルゲージを確認し、オイルが規定量入っているかを確認します。
オイルゲージは、H(FULL)の位置が良いと言われますが合わせるのは難しい作業です。
ゲージより半分以上H(FULL)側に近い位置であれば十分です。※3
作業上の注意
※1 コンクリートブロック等で車高を確保する場合、ブロックを重ねたり立てたりした不安定な状態での作業は危険です。高さが不十分でも、ブロックの平面側(低い方)を使用します。また、アルミブリッジの高さだけでも作業は可能です。ブロックがない場合や、不安定となるようではアルミブリッジのみで作業します。
※2 今回使用しているドレインパッキン(ガスケット)は、ダイハツ車用のエンジンオイルドレインパッキン(1個100円程)です。ドレインパッキンは、車では毎回の交換を推奨しています。しかし、基本的にパッキンが痛まなければ交換の必要はなく継続して使用できます。
※3 エンジンオイルの入れすぎた場合、ドレインプラグから適量抜くことで対処できます。しかし、手は汚れるしそれなりに難しい作業です。インジケーターのH(FULL)より数ミリ程度多くても、それが原因で故障となることはほぼありません。
しかし、入れすぎはエンジンには良くないので、可能であればインジケータ内に収まるようにしておきましょう。
オイルの正確な適正量を見るためには、エンジン停止後5分以上経過してから測量したゲージの値が最も正確です。
・その他
オイルエレメントは購入後20年間実施していません。使用資機材が同じ為、エンジンオイルの交換作業に合わせて動力噴霧器のポンプ部分オイル交換も行う方が効率的です。次ページ:スピードスプレイヤーのオイルエレメント交換方法