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農業機械メンテナンスナビチェンソーのメンテナンス方法>ソーチェンの選び方と種類
 チェーンソーの刃となるソーチェンは、使用に伴う摩耗や変形等により定期的に交換が必要な消耗品です。用いるチェンソーのガイドバーの長さや溝幅。ピッチにより使用できるソーチェンが決まっています。また、ソーチェンの刃の種類により切断速度や切れ味。耐久力や求めるパワーに違いがあります。
 深く考えずに購入時に標準搭載されていたソーチェンの(互換を含む同等の)交換品を用意するためには、ページ下部「ソーチェンの選び方」の適用表で確認して該当する品番を購入する方法が一番楽です。

・ソーチェンの主なメーカー

・オレゴン(OREGON)
 ソーチェンの世界のトップブランド。ソーチェンの規格は、オレゴンのソーチェンが元となっていると言っても過言ではないソーチェンメーカです。
 国内メーカーのチェンソー殆に標準でオレゴンのソーチェーンが採用されています。ハスクバーナやスチールのソーチェンでも、同じ規格で作られたオレゴンのソーチェンが使用できます。ホームセンター等で最も入手が可能なソーチェンです。
 国内のチェンソーメーカー名前として市販される交換用ソーチェンのパッケージでも中身はオレゴンの刻印がされたオレゴンのソーチェンであったりします。

・ハスクバーナ(Husqvarna)
 スウェーデンのチェンソーメーカーのソーチェン。ハスクバーナ製のチェンソーに標準で装着されています。
 オレゴンとチェン形式の表記が違うものの、完全互換性があります。

・スチール(STIHL)
 ドイツのチェンソーメーカーのソーチェン。スチール製のチェンソーに標準で装着されています。

・その他 ノーブランド、オリジナル品など
 ブランド品以外でもオリジナル品などのソーチェンが販売されています。オレゴンの〇〇に対応や同等品などと紹介されています。ネットなどでメーカー物より安価に市販されています。


・ソーチェンの種類と適合規格の見方

・ソーチェンのメーカー
 ソーチェンのコマを繫ぐタイストラップ(サイドリンク)部に各メーカーの刻印がされています。メーカーによりチェンの形式を示す表記が異なる為、最初にメーカーを特定します。(ページ下部の写真参照)
・オレゴン(OREGON)
 「OREGON」又は、「O」が刻印されています。
・ハスクバーナ(Husqvarna)
 「Husqv」又は、「H」が刻印されています。
・スチール(STIHL)
 「STIHL」が刻印されています。

・チェンの型式
 ソーチェンの下側となるドライブリンクにチェン型式の刻印がされています。チェン型式の刻印は、メーカにより表記が異なりますが、適合表と照らし合わせることでオレゴンのチェン型式に変換することが出来ます。(次項のハスクバーナ、スチール、オレゴンとのチェンの型式互換表参照)

・ピッチ
 3個の連続したリベットの距離を2で割った値。1/4、.325、3/8、.404の4規格があります。

・ゲージ:ガイドバーの溝幅(ドライブリンクの厚み)
 ガイドバーの溝の幅ですが、中を走るソーチェンのドライブリンクの厚みと同じとなっています。
 .043” (1.1 mm)、.050" (1.3 mm)、.058" (1.5 mm)、.063" (1.6 mm)の4規格があります。

・チェーンの長さ(ドライブリンク数)
 ソーチェン1週のドライブリンクの数です。

ハスクバーナ、スチール、オレゴンとのチェンの型式互換表

ハスクバーナ
 刻印
スチール
 刻印 
オレゴン
 刻印
ピッチ
 規格
ゲージ
インチ(mm) 
00 1/4-3 25AP  1/4  .050(1.3) 
35、36
、37
P-3
6-3
91VXL
91PX
3/8 .050(1.3) 
25 21BPX .325 .058(1.5)
30 95VPX .325 .050(1.3) 
42 73DP 3/8 .058(1.5)
PM-1
6-1
90PX 3/8 .043(1.1)
3/8-6
3-6
75DP 3/8 .063 (1.6)
.325-6
2-6
22BPX .325 .063 (1.6)
※オレゴンの品番について改良により変更されています。
旧品番は新品番と互換性があります。91シリーズ(PX、VXL、VG、VX)は互換性があります。
旧品番:91VG、91SG →新品番:91PX
旧品番:91VX、91VS、91S→新品番:91VXL
旧品番:20/21/22BP→新品番:20/21/22BPX
旧品番:95VPX,95VP→新品番:95TXL
旧品番:90SG→新品番:90PX

ソーチェンの選び方

 市販のソーチェンについて、購入当初から仕様変更せずに使用しているチェンソーでは、チェンソーの型式から交換用のソーチェンを探すことが出来ます。
 深く考えずに交換品を購入するだけであれば、店頭でチェンソーの型式を伝えて交換品をもらう。ソーチェンのパッケージ裏面やソーチェンメーカーの適用表でチェンソー型式を参考にソーチェンを選ぶことが出来ます。
 参考資料(外部リンク):オレゴン ソーチェン適用表
 https://www.oregonchain.jp/media/tekiyou_sawchain_2020.pdf

オレゴンのソーチェン品番の見方

91PX 052  E
チェーンタイプ ドライブリンクのコマ数  「E」はループチェンを表しています。
 末尾「E」の他、「EC」「EJ」などありますが外箱が違うだけで同じソーチェンです。 
 交換前のソーチェンの刻印とコマ数を数えることで使用できるソーチェンを選ぶことが出来ます。
 オレゴン以外のソーチェンでは、型式互換表でオレゴンのチェーンタイプに変換することでオレゴンのソーチェンを使用することが出来ます。

主なソーチェンの型式種類(オレゴンでの型式表記)

 ソーチェンの型式種類は多くの種類がありますが、本業以外の素人や趣味使用で使う種類には主に4種類の型式があります。
・25AP
 トップハンドル型の小型のチェンソーなどに広く使用されているソーチェンで、非常に軽く滑らかな切れ味。刃の数が多く1個の刃にかかる負荷が小さい、保守が容易です。
 排気量38cc、16インチ(40cm)まで。
・91PX
 小型から中型のチェンソーに広く使用されているソーチェン。キックバックし難い構造で安全性が高く、切断性能が高い。初心者からベテランまで広い用途に使用できます。
 排気量42cc、18インチ(45cm)まで。
・91VXL
 旧品番91VXから上刃を33%長く、耐久性が高く、繰り返し目立てを行っても長く使用することが出来ます。カッターに青いコーティングがされ、耐久性、耐錆性、耐摩耗性に優れています。
 排気量42cc、18インチ(45cm)まで。
・90PX
 小型のカジュアルソー向け設計されたソーチェン。切り幅が狭く、軽量なソーチェンで、91シリーズより溝幅が狭い.043(1.1mm)のガイドバーで使用できます。
 排気量42cc、16インチ(40cm)まで。

 この他チェーン型式は、排気量が38ccや50CC以上といった主にプロソーに用いるチェーン型式です。

ソーチェーンの刻印

  • タイストラップの刻印「Husqv」
  • ・タイストラップの刻印「Husqv」
     使用に伴い見難くなっていますが「Husqv」と刻印され、ハスクバーナ製と判断することが出来ます。
  • タイストラップの刻印「0」
  • ・タイストラップの刻印「0」

     「0」と刻印され、オレゴン製と判断することが出来ます。

  • ドライブリンクの刻印「37」
  • ・ドライブリンクの刻印「37」

     ドライブリンクに「37」と刻印されているため、タイストラップのメーカーを示す刻印と合わせて、ハスクバーナの37というチェン型式であることが特定できます。

  • ドライブリンクの刻印「25」
  • ・ドライブリンクの刻印「25」

     ドライブリンクに「25」と刻印されているため、タイストラップのメーカーを示す刻印と合わせて、オレゴンの25というチェン型式であることが特定できます。

  • ドライブリンクの数え方
  • ・ドライブリンクの数の数え方

     ドライブリンクとは、青丸をしてある内側に爪があるにコマです。コマ数を数える時は、チェーンを外して内側の爪があるコマをチェーン1週分数えます。

  • ソーチェンのパッケージ
  • ・ソーチェンのパッケージ

     オレゴン ソーチェンの販売パッケージでブリスターパックと小箱とです。中身が同じでも外装のパッケージで品番の末尾のアルファベットが異なります。


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