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農業機械メンテナンスナビ共通メンテナンス項目農機具のエンジンオイル交換方法>オイルフィルターが外れない原因と外し方
 オイルフィルターはレンチを使用しないと外れないと思っている人もいるようですが、通常はオイルフィルターは滑り止めのある手袋を用いて両手で力をいれて回せは外すことができます。このため、オイルフィルターレンチを使用するのは手が入り難く力を入れ難い場所にフィルターがある時。フィルターがオイルの汚れで手が滑る時などです。
 毎回手で外れない場合や、レンチを使用しても容易に外れない場合、作業方法や取付方法が不適切かもしれません。
外れない原因
・手が滑る
原因1 : 素手又は滑りやすい手袋を用いている。
→対策 : 滑り止めがついた新品の手袋を使用し、体制を整えて両手でしっかりと持って力を入れる。
原因2 : オイルフィルターや手にオイル等が付着している。
→対策 : 滑る原因となるオイル等をウエスで拭き取り、更にパーツクリーナーでオイルフィルター表面の油分を除去してから作業を開始する。

・カップレンチが上手く噛まない
原因1 : カップ式レンチの大きさが合わない。
→対策 : 大きさの合うカップを用意する。
原因2 : カップ式レンチの大きさがあっているのに隙間がある。
→対策 : メーカー等の微妙な大きさの違いがあるため、フィルターにウエスを充ててカップを噛ませる。

・チェーンレンチが滑る
原因1 : チェーンがフィルター表面を滑っている。
→対策 : 滑る原因となるオイル等をウエスで拭き取る。パーツクリーナーでオイルフィルター表面の油分を除去してから作業を開始する。

・フィルターがひたすら硬くて回らない
原因 : 取付時に規定値以上に締め付けてある。
→対策 : あらゆる方法を試して、フィルターを壊してでも外します。

色の異なるLLC

  • オイルフィルター取り付け部
  • ・オイルフィルターの取り付け部
     オイルフィルター(オイルエレメント)を取り外した状態です。中心の取り付けネジ部の中心がオイルの吸入口。周りがオイルの噴出口です。
     ドライバーを突き刺す時は、内部を傷つけないよう注意します。
外れなくなる原因と対策
 オイルフィルターは、内部で液体であるオイルをエレメントに通してゴミを濾しとるパーツです。このため、フィルターにオイルを通すために内部で圧力差が起きる構造となっています。
 取付け後、エンジンを始動させるとフィルター内部の外側では圧力が高まり、中心部分の内側では圧力が下がってオイルをフィルターに通過させる為にフィルターがエンジン側に吸い付くようにして働きます。
 エレメントが規定値以上で強く取り付けられていると、長期間の使用によるフィルターの汚れによる目詰まりよって圧力差が大きくなることも加わり、吸い付きが強くなることで徐々に締め付けられていきます。
 二度と外さない場合を除き、絶対に規定値以上(力任せ)で取付けてはいけません。
 外れない場合、取付作業者がオイル漏れを心配して規定値を考えずに力任せに締め付けをしたことが原因の一つかもしれません。

フィルターを外し易くする方法と、硬くて回らない時の対処方法
・エンジンを暖めて作業を行う
 オイルフィルターも内部の留め具は金属パーツです。取外し前にはアイドリングで5分程度の暖気運転を行い、暖めた方が外れやすくなります。
 ただし、暖め過ぎた時は火傷に注意が必要です。

・カップレンチとウエスの組み合わせ
 通常の使用方法によるレンチで外れない場合、カップレンチにウエスを組み合わせて大きな力を加えることができます。オイルフィルターと大きさが適合するカップレンチの間にウエスを挟み、叩きつけるようにして無理やりカップレンチを被せ、フィルターを滑らないようにして回します。
 大きな力を加えても滑ったりして力が逃げないため、かなりの確率で外すことができます。
 ただし、外した後はカップレンチからフィルターを抜くのに苦労します。

・フィルターに穴をあける方法
 フィルターに大きな力をかける方法が見つからない時、ドライバーでフィルターを貫通してこれを持ち手として力を加える方法があります。
 オイルが垂れるためかなり汚れますが、滑らないため大きな力を加えることが出来ます。
 なお、フィルターの中心部分にはオイルの吸入口となるパーツが伸びています。これを傷つけないよう、ドライバーはフィルターの先端部分に貫通させます。
 フィルターの先端部分に貫通させられない場合、オイルの吸入口に当たらないよう円筒の中心をずらした位置で貫通させます。

・サンダーで切断する方法
 あらゆる方法を試してもどうしても回らない場合の最後の手段です。フィルター本体をそのまま回すことを諦め、フィルター側面を切断してフィルター側の取付ネジ周辺部分を切断します。
 エンジンとフィルター本体にくっついている力が加わらなくすることで、締まっている力を逃がしてネジが回るようにして除去します。
 フィルター内部の大雑把な構造を事前に知っておく必要があります。

作業実施上の注意
 各方法を紹介していますが、カップレンチとウエスの組み合わせで外れない場合には本職に任せることをおすすめします。手で回して外れない場合には自分での作業を諦め、業者に任せる。いっそ交換しないリスクを承知の上でやめる。という選択肢もあります。
 難しい作業ではありませんが、レンチを使用した場合には最後までやりきる必要があることを念頭に作業を実施して下さい。

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