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農業機械メンテナンスナビ油圧ジャッキのメンテナンス方法>油圧ジャッキのオイル漏れ修理(リリースバルブOリング交換)
 油圧ジャッキはゴム製のOリングが経年により劣化することで油漏れの原因となります。油漏れには劣化したOリングを交換することで修理することができ、リリースバルブからのオイル漏れによる修理の方法です。
油圧ジャッキのリリースバルブ
 リリースバルブは油圧ジャッキの圧力を開放する(圧力を逃がす)ためのバルブです。油圧ジャッキではジャッキを上げた(加圧)状態からリリースバルブを開放することで下げることが出来ます。
 可動部であるリリースバルブは、内部の油圧オイルの密閉にニトリルゴム等のOリングが使用されています。このため、正常時でも若干のオイル滲みの発生や、Oリングが劣化するとオイル漏れ(油漏れ)が発生する原因となります。

リリースバルブのOリング
 ジャッキの交換用Oリングは純正品が販売されています。しかし、純正品はかなり高額や入手に取寄せなど時間がかかる。ノーブランド品では取り扱いがないなどします。
 純正品以外の使用は自己責任となりますが、基本的にOリングの材質とサイズが同等であれば汎用品で問題なく使用することが出来ます。
エマーソンフロアジャッキシリーズのリリースバルブ専用のOリング 3枚入り 814円~
 サイズ内径5.8×太さ2.8mm。純正品で安心ですがかなり割高です。
Oリング 225個セット 18サイズ  495円~(楽天市場商品ページ)
 純正品と同じサイズがありませんがとても割安です。1セットあると他のOリング交換の際にも非常に便利です。

油圧ジャッキのオイル漏れ修理(リリースバルブOリング交換)

  • 油圧ジャッキメンテンナンスの主な資材
  • ・油圧ジャッキメンテンナンスの主な資材

    ・交換用Oリング
     汎用のニトリルゴム製Oリングセットです。
    ・ノギス
     Oリングのサイズ計測に使用します。
    ・ポリエチ手袋
    ・ウエス
     油漏れの拭き取りに使用します。
    ・パーツクリーナー
     油漏れの清掃に使用します。 など

  • 汎用のOリングセット
  • ・汎用のOリングセット

     ニトリルゴム製のOリング18サイズ、225個セットです。
     ネット通販で500円程で入手できます。純正品と比較して破格ですが、使用は自己責任となります。
     ・Oリング 225個セット 18サイズ  495円~(楽天市場商品ページ)
     純正品は ・エマーソンフロアジャッキシリーズのリリースバルブ専用のOリング 3枚入り 814円~

  • リリースバルブからのオイル漏れ
  • ・リリースバルブからのオイル漏れ

     リリースバルブからオイルが垂れています。

  • リリースバルブを外す
  • ・リリースバルブを外す

     リリースバルブを緩める方向に回してバルブを外します。

  • 外したリリースバルブ
  • ・外したリリースバルブ

     取外したリリースバルブです。ジャッキオイルのシールにニトリルゴム製のОリングが使用されています。

  • リリースバルブのOリング
  • ・リリースバルブのOリング

     リリースバルブから取外したOリングです。見た目の欠損だけでなく、経年によりゴムが硬化することでオイルが漏れやすくなります。

  • Oリングの計測(内径)
  • ・Oリングの計測(内径)

     Oリング取付位置の径を計測します。写真では取付け部は7mm弱(6.8mm)程※1です。Oリングの内径は7mm弱(6.8mm)ということが判ります。
     取付位置からOリングのサイズを推定するにはページ下部を参照のこと。

  • Oリングの計測(太さ)
  • ・Oリングの計測(太さ)

     Oリングの太さ計測します。写真では太さは3mm弱(2.5mm)程※1です。

  • 交換用のOリング
  • ・交換用のOリング

     純正品の交換用のOリングは、販売品が内径5.8mm×太さ2.8mmです。
     汎用品のセットでは同一規格がないため、近いサイズを使用します。
     写真では上6×2.5mm、中外したOリング5.8×2.8mm、下6×3mmです。

  • 交換したOリング
  • ・交換したOリング

     同一サイズがないため、6×3mmを取付しています。
     元サイズを比べ見た目に外径が大きくなっています。(6×2.5mmではオイル漏れがありました。)

  • リリースバルブの取付け
  • ・リリースバルブの取付け

     Oリングを交換したリリースバルブを取付けます。Oリングの外径が大きくなったことで抵抗が大きいですが取付け可能な範囲です。取付けし難い時はOリングにジャッキオイルを塗り潤滑にすると取付し易くなります。 取付後は油漏れの確認が出来ようにウエスで油汚れをきれいに拭き取ります。 

  • エアー抜きを行う
  • ・オイル補充、エアー抜きを行う

     エアーベント(注油口)を開き、必要に応じてオイル補充※2と、リリースバルブを緩め、油圧ハンドル上下を素早く動かしエアー抜きを行います(5~6回)。
     オイル補充の詳しい方法は。「油圧ジャッキオイルの補充方法」へ
     エアー抜きの詳しい方法は、「油圧ジャッキのエアー抜き方法」へ

  • 動作とオイル漏れの確認
  • ・動作とオイル漏れの確認

     ジャッキの上下動作や負荷をかけての動作確認を行い動作に支障やオイル漏れがないかを確認します。
     Oリングに6×2.5mmを使用した時には動作確認でオイル漏れがあり、6×3mmを使用しました。

※1ノギスによる計測
 本ページで使用したノギスは100均の簡易ノギスのため測定誤差が大きくあります。
 正確に測るには正規の副尺のあるノギスや、デジタルノギスでの測定が必要となります。

※2オイル補充
 ジャッキオイルを漏れた状態で使用を続ける。オイルの相当量も漏れがあった(ジャッキオイルはジャッキ全量で100cc程度)。ジャッキアップした際に最上位まであがらない時など、ジャッキオイルの不足が疑われます。
 エアー抜きの際にエアーベントを外すため、その際にオイル量を確認して必要に応じてジャッキオイルの補充を行います。

・Oリングのサイズについては
 Oリングは規格や材質。使用目的や使用環境ににより専門的には非常に多くの種類があり選択は難しくなります。このため本ページのジャッキオイルなどに使用するシール目的に使用されるOリングについて選択する時は、外圧や内圧、回転使用などの目的により選択します。
・外圧用
 内径が内側に密着するようにする。
・内圧用
 外径が溝の外壁に密着するようにする。
・回転使用
 内径の軸径より大きくする。
 油圧ジャッキのリリースバルブでは、内圧からのジャッキオイルが漏れるのことを防ぐのが目的になります。

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