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- ジャッキオイルは経年により酸化や、使用により発生した金属片やゴミが混入します。ジャッキオイルは古くなると内部のシール部の劣化が早まります。また、混入した金属片やゴミは故障の原因となるためジャッキオイルの交換を行います。
ジャッキオイルの交換
ジャッキオイルは数年毎(3年毎)に交換が推奨されています。しかし、安価なDIY用のジャッキオイルを定期に交換してもコストがかかるため、交換せずにある程度使用したら買替を検討するという選択もあります。
ジャッキオイルの交換はオイル漏れによるOリングの交換。ジャッキが上がらず内部のジャッキオイルがかなり減っていた時など、他のメンテナンス作業のついでにジャッキオイルの交換を検討することが現実的です。
・ジャッキオイルの交換量
油圧ジャッキに使用されるジャッキオイルは、油圧ポンプの分だけでかなり少ない量です。
機種により異なりますが市販のDIY用のガレージジャッキで100cc程度です。オイルを購入する時は市販されている小さい容器(200~300cc)の物で足ります。
・ジャッキオイルの粘土
油圧ジャッキに使用されるジャッキオイルの粘土はメーカーより違いがあります。基本的に粘土が近い(VG10とVG15)ジャッキオイルであれば異なるメーカーの物を使用しても支障なく使用することができます。
・AZジャッキオイル ISO VG 10
・AZジャッキオイル ISO VG 32
・BAL大橋産業ジャッキ専用作動油 ISO VG 10
・大自工業ジャッキオイル 32
・エマーソン 油圧ジャッキオイル ISO VG 15
・ジャッキオイルの交換手順
1.支持台(リフティングアーム)を下げる
2.エアーベント、注入口を開く
3.ジャッキを逆さまにして全てのオイルを排出する
4.ジャッキオイルを注入する
5.オイル量を確認して規定量まで入れる
6.エアー抜きを行う
油圧ジャッキオイルの交換方法
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・油圧ジャッキオイルの交換
・油圧ジャッキ
エマーソン フロアジャッキ2tEM-501
・ジャッキオイル
エマーソン油圧ジャッキオイル200ml
・廃油処理用品
廃油は100㏄程出ます。油受けに排出して古着屋や新聞紙等に浸み込ませ可燃物として処分します。 -
・リフティングアームを下げる
リリースバルブを緩め、支持台(リフティングアーム)を一番下まで下げます。
リリースバルブを緩めても自然に下がらない時は、支持台を押して一番下まで下げます。 -
・エアーベント(注油口)をあける
エアーベント(注油口)がカバープレートの内側にある場合はカバープレートを外して作業します。
マイナスドライバ等を使用してエアーベント(注油口)を外します。 -
・エアーベント(注油口)の清掃
エアーベント(注油口)付近の付着ゴミをオイル交換後の混入防止に清掃します。
補充だけの時は清掃時にゴミが混入しないよう清掃しないか、エアーベント(注油口)を開ける前に清掃するなど注意が必要です。 -
・古いジャッキオイルの排出
廃油受けの上にジャッキを逆さまに置き、内部のジャッキオイルを排出します。ジャッキオイルは元は無色透明ですが、廃油は黒い汚れが混入しています。廃油は古着や新聞紙を入れて染み込ませると可燃物として処分できます。廃油量は100cc程です。
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・ジャッキオイルを注入する
ジャッキを水平の場所に置き、エアーベント(注油口)からジャッキオイルを規定量まで少しづつ注油します。紹介している機種(エマーソンEM-501)では、エアーベントバルブより下に10mm程度の位置が規定量です。
オイルは無色透明のため油面が判り難いため入れ過ぎに注意します。 -
・ジャッキオイル交換時の必要量
ジャッキオイル交換に使用したジャッキオイルの使用量です。
純正ジャッキオイル容器200ccに対して約半分となる100cc程度を使用しました。
写真では判りに難いため、容器の油面の高さに赤い線を引いてあります。 -
・エアー抜きを行う
エアーベント(注油口)を開いた状態のままでリリースバルブを緩め、油圧ハンドル上下を素早く動かします(5~6回)。
エアー抜きの詳しい方法は、「油圧ジャッキのエアー抜き方法」へ